なぜ世界は「スマイルプロ」にシフトするのか?

なぜ世界は「スマイルプロ」にシフトするのか?
なぜ世界は「スマイルプロ」にシフトするのか?

~レーシックを超え、ICLと並び立つ、次世代角膜手術の圧倒的完成度~

日本の近視矯正市場は今、かつてないパラダイムシフトの渦中にあります。

長らく「レーシック(LASIK)」が主流だった時代を経て、日本ではその安全性から「ICL(眼内コンタクトレンズ)」が大きな支持を得てきました。しかし世界に目を向けると、もう一つの巨大な波が市場を席巻しています。

それが、カールツァイス社が開発した最新鋭機「VisuMax 800」による次世代角膜手術「スマイルプロ(SMILE Pro)」です。

なぜ、近視矯正の先進国では角膜手術が圧倒的な「復活」を遂げているのか。そして、なぜ「プロ」という名が冠されたのか。テクノロジーがもたらした確信的な進化の全貌を解き明かします。

1. 知っていますか?「スマイル」という第3の選択肢

VisuMax 800

まず、皆さんに問いかけたいのは「スマイル(SMILE)」という手術をご存知ですか?ということです。

多くの方が「レーシック」か「ICL」の二択だと思い込んでいますが、世界標準では非常に優れた次世代の角膜手術が存在します。

  • レーシック: 角膜を大きく(約20mm)切り、ふた(フラップ)を作る。
  • ICL 目の中にレンズを入れる。
  • スマイル: 角膜をわずか2mm切るだけ。フラップを作らず、レーザーで角膜内部に視力矯正用の薄い円形の膜(レンチクル)を作り、その2mmの隙間から取り出します。角膜の構造を維持したまま視力を回復させる低侵襲な手法です。

「レーシックのデメリットを克服し、ICLより手軽」。そんな革新的な手術が、なぜ日本ではこれまで「知る人ぞ知る」存在だったのでしょうか。

2. 「角膜を削る=危ない」は過去の話。精度が変えた手術の定義

一般的に「角膜を削る」と聞くと、何か取り返しのつかないダメージを与えるような、怖いイメージを持つ方が少なくありません。しかし、「かつての削る」と「現在の整える」では、その精度において天と地ほどの差があります。

1000分の1ミリ単位の「細胞彫刻」

かつての初期のレーシックなどは、極小のカンナのような刃物(マイクロケラトーム)を使って角膜を切るなど、物理的な衝撃が少なからずありました。しかし、スマイルプロに使用される最新のフェムトセカンドレーザーは、サブミクロン(1000分の1ミリ以下)単位という、目に見えないレベルの精度で角膜にアプローチします。

「削る」から「最小限を抜き出す」へ

スマイルプロは、角膜の表面を削るのではなく、内部の組織を光の束で優しく分離させ、わずか2mmの隙間からそっと抜き出す術式です。 「角膜を削るのが危ない」とされたのは、かつての精度では組織への熱ダメージや構造的な弱体化を避けられなかったからです。

最新のスマイルプロは、角膜の神経や強度を司る表面層をほぼ無傷で残すため、ドライアイや衝撃への不安を過去のものにしました。現代の角膜手術は、荒い作業ではなく、緻密な「細胞レベルの彫刻」へと進化しているのです。

3. 復活の軌跡:韓国がいかにして「角膜手術」を再興させたか

近視矯正手術の歴史を語る上で、韓国の事例は非常に示唆に富んでいます。日本と同様、かつて韓国でもレーシック後の合併症やドライアイが課題となり、市場が冷え込んだ時代がありました。

その逆風を跳ね返し、市場を再興させた原動力が「SMILE(スマイル)」という術式でした。

フラップを作らないこの技術は、角膜の強度を保ち、ドライアイのリスクを激減させました。韓国では、この「低侵襲性」が信頼を勝ち取り、今や近視矯正のスタンダードとなっています。

そして今、その進化の頂点として登場したのが「スマイルプロ」です。すでに先行導入されている地域では、近視矯正の約7割がこのスマイルプロに移行しているという驚異的なデータも報告されています。

4. 日本が取り残された「空白の10年」と2024年の薬事承認

「視力矯正をしたいが、レーシックは昔のイメージがあって怖い。だからICLしかない」

現在、日本の多くの患者様が抱いているこの認識は、テクノロジーの遅れではなく、制度上の「空白」が生んだ誤解です。世界ですでに1,000万眼以上の実績がある「SMILE」がなぜ日本で認知されてこなかったのか、その理由は明確です。

これまでのSMILE手術(従来機VisuMax 500によるもの)は、日本国内において「角膜屈折矯正(薄層切除術)」としての正式な薬事承認が得られていないという背景がありました。そのため、先進的な一部の眼科クリニックが医師の責任において「個人輸入」という形で機器を導入し、自費診療として提供するしかなかったのです。

  • 施設の限定: 厚労省の認可がないため、多くの大学病院や大手施設が導入に踏み切れず、普及が限定的だった。
  • 情報の断絶: 公的な認可がないために大々的な啓発が行われず、一般の方には「過去のレーシックのトラブル」の記憶だけが残った。

しかし2024年7月4日、最新鋭機「VisuMax 800」によるスマイルプロが日本国内で正式に薬事承認を取得しました。日本の近視矯正が世界標準へとアップデートされる、歴史的な転換点が訪れたのです。

5. VisuMax 800:技術的完成度がもたらした「10秒」の衝撃

VisuMax 800

スマイルプロが「プロ」と呼ばれる所以は、単なるスピードアップに留まらない、圧倒的な技術的完成度にあります。

照射時間「10秒以下」が変える安全性

従来機では約25〜28秒を要していたレーザー照射が、スマイルプロでは10秒以下にまで短縮されました。これは単なる効率化ではありません。手術中に目が動いてしまうリスクを極限まで排除し、患者様の精神的負担を劇的に軽減します。「瞬きをしている間に終わる」スピードが、手術の質を別次元へと引き上げました。

ロボット支援のような高精度な軸補正

スマイルプロにはAIのような自動検知システムが搭載されています。目の中心を捉える「セントレーション補正」と、目の回転を補正する「サイクロトーション(回旋)補正」により、特に乱視矯正の精度が飛躍的に向上しました。これにより、極めて鮮明な「見え方の質」を提供します。

6. ICL(眼内コンタクトレンズ)との戦略的住み分け

ICL(眼内コンタクトレンズ)

現代の近視矯正において、ICLとスマイルプロは競合ではなく、「最適な住み分け」の関係にあります。

比較項目ICL(眼内コンタクトレンズ)スマイルプロ(SMILE Pro
主な適応強度近視(-6D以上推奨)/ 角膜が薄い方中等度〜軽度近視 / 乱視が強い方
手術のメリット可逆性(レンズを取り出せる)非侵襲性・高速回復・自分の目そのまま
社会復帰数日の慎重な経過観察を推奨翌日から仕事・スポーツが可能
異物感眼内にレンズを入れる心理的障壁角膜構造を維持する自然な安心感

スマイルプロは、ICLが持つ「眼内に異物を入れる」という心理的抵抗や、「将来の白内障手術への影響」といった懸念に対する、一つの完璧な回答となっています。

7. スマイルプロでも解決できない「角膜の歪み」への最終回答

しかし、医学に「万能」はありません。

スマイルプロは非常に優れた術式ですが、中には「角膜の歪み(高次収差)」が強く、スマイルプロだけでは理想的な裸眼視力を獲得するのが難しい症例が存在します。指紋が一人ひとり違うように、目の歪みもまた千差万別だからです。また、角膜の歪みが原因の場合、ICL手術でもその問題は解決できません。

そこで当院が導入しているのが、次世代のウェーブフロントガイド・レーシック「Wavelight Plus(サイトマップ・ガイド・レーシック)」です。

  • サイトマップ(Sightmap)による精密測定: 患者様の目固有の複雑な歪みを2,000ポイント以上で精密にマッピング。
  • 究極の個別化: そのデータに基づき、レーザーが角膜の微細な凹凸までも補正。スマイルプロが「標準的な美しい視界」を作るなら、こちらは「あなた専用のオーダーメイドな視界」を作り上げます。

EGEN VISION CLINIC 院長 梅本 による補足

「私は先日、韓国のB&VIIT眼科を視察してきましたが、そこで目にしたスマイルプロの普及率はまさに圧倒的でした。かつてレーシックへの逆風を経験した韓国が、いかにしてこの術式で信頼を回復したのか。それは、VisuMax 800という機種が持つ『技術的完成度の高さ』に他なりません。

日本においても、今回の正式認可により、スマイルプロの波は間違いなく来ると確信しています。一方で、角膜の収差が強い方にはサイトマップを用いたWavelight Plusという、さらなる高精度な選択肢も用意されています。ICL一辺倒だった時代は終わり、これからは一人ひとりの目に合わせた『最適解』を選べる時代。当院で、その未来をぜひ体験してください。」

よくある質問(FAQ)

Q.  なぜ今まで日本で流行らなかったのですか?
A. 日本国内での「薬事承認」に時間がかかったため、一部の施設でしか提供されず、広く認知されなかったからです。2024年の認可により、今後は世界標準の選択肢として普及が進みます。

Q. ICLとどちらが良いですか?
A. 中等度までの近視であれば、眼内にレンズを入れないスマイルプロは非常に有力な選択肢です。強度近視(-6D以上など)や角膜が極端に薄い場合はICLが適しています。

Q. 「角膜の歪み」とは何ですか?
A. 単なる近視や乱視ではない、目特有の微細な凹凸のことです。これが強い場合、通常のスマイルプロよりも「サイトマップ」を用いたカスタムレーシックの方が、より鮮明な視力を得られることがあります。

Q. 手術後、いつから裸眼で過ごせますか?
A. スマイルプロもレーシックも、ほとんどの方は翌日から視力の回復を実感し、早期に仕事や軽いスポーツへの復帰が可能です。

Q. 費用はどのくらいかかりますか?
A. 自由診療となりますが、一般的にICLよりも費用が抑えられる傾向にあります。およそ両眼で60万円前後です。最新の認可機器による安心感と、高い精度を考えれば、非常に価値のある投資と言えます。

エゲンビジョンクリニック(Egen Vision Clinic)
2026年4月、梅田で日本の視力矯正の新しいスタンダードが始まります。

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