~もし「これ」が見えているなら、ICLは受けてはいけません~
視力矯正手術を検討する際、最近では「ICL(眼内コンタクトレンズ)」が非常に身近な選択肢となっています。しかし、安易に流行に乗る前に、まず以下のセルフチェックを行ってみてください。
もし、眼鏡やコンタクトを外した状態でこれらが当てはまるなら、あなたはICLよりも、もっと安全でメンテナンス不要な「レーザー治療(スマイルプロ等)」を選ぶべき幸運な目である可能性が高いからです。
1. 【日常生活セルフチェック】あなたはこれが見えますか?

眼鏡やコンタクトを外した「裸眼」の状態で、以下のシーンを試してみてください。
- チェック①:スマホを「40cm」離して、文字がはっきり読める (度数目安:およそ -2.5D 前後)
- チェック②:文庫本を「30cm」程度の距離で楽に読める (度数目安:およそ -3D 〜 -4D 前後)
- チェック③:朝、起きた瞬間に「壁の時計の形」がなんとなくわかる (軽度近視:時計の存在すら霧の中という状態ではない)
- チェック④:1メートル先にいる「家族の顔」が判別できる (軽度近視:日常生活は眼鏡やコンタクトレンズがなくてもなんとかなる)
【判定】一つでも当てはまった方へ
これらができる方は、医学的な分類では「中等度近視」までに収まっています。 このレベルの視力がある方にとって、ICLを選択することは、実は「将来に向けたリスク」を不必要に背負うことになりかねないのです。
2. なぜ「ある程度見える人」にICLをお勧めしないのか
EGEN VISION CLINICでは、目の中の深さ(前房深度:ACD)が 3.2mm 未満の方へのICL装用には極めて慎重です。そこには、あなたの目が10年、20年、30年後に迎える変化を見据えた、明確な理由があります。
水晶体は一生、成長し続ける
人間の目の中にあるレンズ(水晶体)は、白内障になる前の段階から、加齢とともに年間約 0.02mm ずつ厚みを増していきます(Dubbelman et al., 2001)。
- 20年で 0.4mm、30年で 0.6mm もスペースが圧迫されます。
- 最初から 3.2mm 以上の余裕がないと、将来、厚くなった水晶体とICLが干渉したり、水の通り道が狭まって眼圧が上昇したりするリスクが避けられません。
EGENの「3.2mm」という基準は、今だけでなく、あなたが50代、60代になった際の変化までを計算に入れた、一生モノの安全マージンなのです。
3. エビデンスが示す「度数」と「安全」の相関関係
なぜ、セルフチェックで「ある程度見える(-6D以下)」人はICLを避けるべきなのでしょうか。
- 解剖学的な事実: 統計的に見て、前房深度が 3.2mm 以上の余裕を安定して確保できている目は、多くの場合 -6D を超える強度近視のグループに属します(Hosny et al., 2000)。
- 中等度近視のパラドックス: 皮肉なことに、-3D 〜 -5D 程度の「中等度近視」の方は、眼球がそれほど伸びていない分、前房深度が 3.2mm に満たないケースが少なくありません。つまり、「中等度近視でICLを希望する人ほど、将来的なスペース不足のリスクを抱えやすい」という医学的な事実があるのです。
結論:一生涯の「出口戦略」を見据えて
- 強度近視の方(-6D以上): 眼軸が長く、前房深度も十分に確保されていることが多いため、ICLは非常に優れた、安全な第一選択となります。
- 中等度近視の方(セルフチェックができた方): 前房深度が不足しているリスクが高く、かつ最新のレーザー治療(スマイルプロや次世代レーシック)で、最小限の負担でより良い裸眼視力を得ることができます。レーザー治療はメンテナンスが不要で、将来の加齢変化にも悪影響をより与えにくいのです。
流行や手軽さだけで選ぶのではなく、「20年後、30年後の自分の目の中に、そのスペースは残っているのか?」という視点を大切にしてください。
FAQ:ICLと将来の安全
Q. 他院で「2.8mmあれば大丈夫」と言われましたが?
A. 短期的には可能ですが、EGENは「一生」を見据えています。数十年後の水晶体の肥大化を考えれば、その 0.2mm の差が将来の安全を分ける決定的なバッファになります。
Q. レーザー治療は、将来白内障になっても大丈夫ですか?
A. はい。角膜の形を整えるだけですので、目の中に異物は残りません。将来の白内障手術にも一切悪影響を与えないのが、レーザー治療の大きなメリットです。
出典資料
・Dubbelman M, et al. “The shape of the aging human lens: curvature, thickness and total focal power.” Vision Research (2001).
・Hosny M, et al. “Relationship between anterior chamber depth, refractive error, and axial length.” J Refract Surg (2000).





























