メガネやコンタクトに頼らない生活を考えたとき、多くの人が注目するのがICL手術です。
ただし「高い」「わかりにくい」と感じて踏み出せない方も少なくありません。
ここでは、料金の目安とその内訳、追加費用の有無、長く見たときのコスト比較まで、知識がない方でも理解できる形でまとめました。
ICL手術の費用相場

視力矯正の選択肢として注目される「ICL手術」。しかし実際に受けるとなると、「どのくらいの費用がかかるのか」「他の手術と比べてどう違うのか」が気になるところです。ここでは、日本国内の相場から海外との比較を詳しく見ていきましょう。
ICL手術とは?
ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は、角膜を削らずに目の中にレンズを入れて視力を矯正する方法です。角膜への負担が少なく、強度近視にも対応できるため、レーシックに代わる選択肢として人気が高まっています。
日本国内のICL費用相場
日本でICLを両眼に行う場合、おおよそ50万〜70万円が目安です。
クリニックによっては46万円程度から始まり、85万円近くになるケースもあります。
費用に幅がある理由は、使用するレンズの種類(乱視矯正用など)や検査内容、アフターケアの充実度によって異なるためです。
他の視力矯正手術との料金比較
ICLとよく比較される手術の国内相場は以下の通りです。
| 手術名 | 両眼の目安費用 |
|---|---|
| ICL | 50万〜70万円 |
| SMILE Pro(VisuMax 800) | 50〜60万円 |
| Contoura(トポガイドLASIK) | 35〜50万円前後(上位LASIK帯) |
SMILE Proは角膜を最小限に削るレーザー手術、Contouraは上位ランクのレーシックで、いずれもICLよりやや安い傾向があります。
国別の費用比較
海外ではどのくらい違うのでしょうか。両眼あたりの税込み目安をまとめると、次のようになります。
| 国・地域 | ICL | SMILE / SMILE Pro | Contoura / TG-LASIK |
|---|---|---|---|
| 日本 | 50–70万円 | 50–60万円 | 35–50万円前後 |
| 米国 | 約$6,000–$10,000(片眼$3,000–$5,000) | $4,000–$6,000 | $4,500–$7,000 |
| 韓国 | ₩4.8–5.8百万(乱視用で上振れ) | ₩4.0–5.1百万 | ₩1.9百万〜(下位LASIK帯) |
米国では日本よりやや高め、韓国は種類によっては日本より割安になることもあります。
基本料金とその内訳

両眼で50万〜70万円が一般的な相場です。
料金には主に次の内容が含まれます。
- レンズ代:眼のサイズに合わせた既製レンズを使用。乱視用(Toric ICL)は追加料金が発生。
- 手術代:施設使用料と医師の技術料。
- 術前検査・術後検診:術後数回分は無料のことが多い。
これらがセットになって提示されるのが通常です。
追加費用が発生するケース
- 術後のレーザー微調整やレンズ交換
- 無料期間を過ぎた検診
- 保証範囲外の合併症対応
契約前に保証範囲を確認しておくことが重要です。
支払いと節約のポイント

ICLは自由診療のため公的保険は適用外ですが、医療費控除は利用可能です。確定申告時に領収書を提出すれば税金が軽減される場合があります。
費用を抑える工夫としては、以下が代表的です。
- モニター制度や期間限定キャンペーンの活用
- 医療ローンによる分割払い
- 保証が手厚いクリニックを選び、後からの出費を防ぐ
“安すぎる”価格には注意
極端に安いプランは、術後検診が有料だったりレンズの選択肢が限定的な場合があります。初期費用だけで判断せず、長期フォローの内容を必ず確認しましょう。
長期的なコスト比較
一見高額に見えるICLですが、コンタクトレンズを長年使う場合との比較では次のようになります。
- 2weekコンタクト:月約2,700〜4,000円 → 10年で約40万円
- 1dayコンタクト:月約5,000〜7,000円 → 10年で約60〜84万円
1dayユーザーなら10年でICL費用を超える可能性があり、長期的にはICLが割安になる場合も多いです。
さらに角膜を削らないため、強度近視でもコントラストが良く高画質な見え方が続くとされます。
ICL手術費用を検討するうえでの“最後のチェックリスト”

- 相場:両眼50万〜70万円台(乱視用は上乗せ)
- 含まれる内容:術前検査、手術、術後検診、保証内容の範囲を必ず確認
- 選ぶポイント:価格だけでなく、見え方の質・職業適性・回復の早さ・長期フォロー体制など総合的に判断を
よくある質問

Q1. ICLが高いのは「レンズが特注だから」?
いいえ。レンズは既製の度数・サイズから選ぶ規格品です。Toric(乱視矯正)は設計や固定の工夫が必要なため、別料金になることが一般的です。
Q2. トポガイドLASIKとSMILE Pro、見え方はどう違う?
トポガイドLASIK(Contouraなど)は角膜地形図を用いて微細な不正を補正するため、視質(夜間視など)の改善が期待されます。SMILEはフラップを作らず低侵襲でドライアイや高次収差が少ない傾向があります。
Q3. 医療費控除は本当に使えるの?
はい。国税庁の見解では、治療目的の視力回復手術(LASIKなど)は医療費控除の対象で、ICLもその範囲に含まれます。領収書を保管し、確定申告を行えば税負担が軽減される可能性があります。
ICL手術は両眼50万〜70万円が目安。料金に何が含まれるか、保証範囲はどこまでかを確認することが失敗しない最大のポイントです。医療費控除やキャンペーンを活用しつつ、長期的な視力の質や安心感まで含めて総合的に判断しましょう。
| 参考文献 Lobanoff M, et al. Clinical outcomes after topography-guided LASIK. Clin Ophthalmol. 2020. He S, et al. Prospective, randomized, contralateral eye comparison of SMILE vs FS-LASIK in high myopia. Trans Vis Sci Tech. 2022. Chen X, et al. Five-year outcomes of EVO ICL implantation for high/super-high myopia. Eye Vis (Lond). 2021. Rowen SL, et al. Topography-guided LASIK with Contoura Phorcides vs WFO LASIK. Clin Ophthalmol. 2024. Ji Y, et al. Effectiveness of SMILE, FS-LASIK, SBK for myopia. J Healthc Eng. 2022. |





























