レーシックを受けたあとでも「おしゃれとしてカラコンを楽しみたい」と考える方は少なくありません。しかし、安易に自己判断で使うと、視力低下や角膜トラブルの原因になる事があります。この記事では、レーシック後のカラコン使用に関する基本知識、リスク、使用再開の目安や注意点をわかりやすく解説します。
レーシック後にカラコンは使えるの?

カラコンは“してはいけない”のではなく、“合うものが非常に少ない”
レーシック(LASIK)は、角膜の中央部をレーザーで削り、屈折力(ピントを合わせる力)を調整することで視力を回復させる手術です。
視力が改善することで、メガネやコンタクトレンズを使用せずに裸眼で生活できるようになる方が多くいらっしゃいますが、「おしゃれ目的でカラコンを使いたい」「ファッションとしてサークルレンズを続けたい」という方も少なくありません。
まず前提として、レーシックによってカラコンが「医学的に禁止されている」というわけではありません。
手術後の角膜の治癒が落ち着いていれば、装用そのものは禁止ではありません。
しかし、手術によって角膜の中央部分のカーブが平坦になるため、術前に使っていたカラコン(特に市販のワンデーやサークルレンズ)は角膜にフィットしなくなることが多いのです。
その理由は?
- 多くの市販カラコンは 「ベースカーブ(BC)」が1種類のみ(8.6mm前後)
- 術後の角膜は中央部が平らになっているため、市販のレンズを付けると「ズレる」「張り付く」といったことが多くなります。
- 視界がぼやけたり、異物感が出ることがあります。
このような理由から、“してはいけない”というより、あまりお勧めしないというのが実際のところです。
一生使えない? それとも時期の問題?
よくある誤解のひとつが、「レーシック後は一生カラコンができないのか?」という不安です。
これは2つの意味で誤解です。
- 手術直後は使用NG
→ 傷の治癒や感染リスク、術後のドライアイを考慮して、3~6か月程度はカラコン・コンタクトともに装用禁止と考えて頂いた方が良いでしょう。 - 一定期間後は理論上使用可能だが、合う製品が見つからないことがある
→ 術後の角膜にしっかりと合うベースカーブの製品がないため、使用再開を希望しても現実には難しいことががあります。
つまり、カラコンの装用可否は「時期の問題」であると同時に、「角膜に合う製品が存在するかどうか」という製品的制約の問題でもあります。
レーシック後のコンタクト使用についての基本知識

レーシック後でもコンタクトレンズの使用は可能ですが、術前とは異なり、角膜の形状変化によって装用できるレンズが限られてくるため、慎重な取り扱いが必要です。
そもそもレーシック後にコンタクトレンズは使えるの?
レーシックは角膜の中央をレーザーで削って平坦にし、屈折異常(近視・遠視・乱視)を矯正する手術です。手術が成功すれば、メガネやコンタクトレンズを使用しなくても裸眼で生活できるようになります。
しかし、以下のような理由で再びコンタクトレンズの使用を検討する方もいます。
- 「おしゃれ用にカラコンやサークルレンズを使いたい」
- 「視力が少し戻ってきた気がする」
- 「左右差が出てきて補正したい」
このような場合、術後でもコンタクトレンズの使用そのものは禁止ではありません。ただし、使用にあたっては注意点がいくつもあります。
術後にコンタクトレンズを使うときのポイント
レーシック手術によって角膜の中央が平らになっており、術前に使用していたベースカーブ(BC)のコンタクトレンズが術後の角膜には合わなくなる可能性があります。
これはカラコンに限らず、1日使い捨てタイプの視力矯正用コンタクトレンズでも同様です。
具体的には…
- 市販の1dayソフトレンズの多くはBC8.6mmなど1種類のみ
- 術後の角膜中央部はそれより平坦になるため、浮いたりズレたり、逆に締め付けたりすることがある
- 「視界がぼやける」「乾燥する」「ゴロゴロする」などの違和感が出るケースも。
カラコン使用はいつから可能?

レーシック後にカラコンを使用できるようになる時期は術後の回復状況に大きく左右されますが、一般的には1か月以降が目安です。ただし、最終的な判断は必ず医師の許可を得てください。
手術直後にカラコンがNGな理由
レーシックは、角膜にレーザーを照射して視力を矯正する手術です。
手術直後は角膜上皮が治癒途中にあり、また、涙の質・量のバランスも不安定な状態にあるため、目の表面が非常にデリケートな時期です。
この段階でカラコンを使用すると…
- ドライアイが悪化し、角膜の表面に微細な傷がつくリスク
- 感染症(角膜炎・角膜潰瘍など)のリスク
- 角膜フラップのズレや術後の回復を妨げる可能性
など、重大なトラブルを招くおそれがあるため、術直後のカラコン使用は厳禁です。
特に市販のワンデーカラコン(処方箋不要・フィッティング未確認)を自己判断で使うのは非常に危険です。
回復状況に応じた使用再開の目安
カラコンの使用再開は「何週間後に必ず使える」と一律に言えるものではありません。
患者ごとに回復スピードや角膜の状態は異なるため、目安とされる時期は以下のようになります。
| 時期 | カラコンの使用可否 | 理由 |
| 〜1ヶ月 | 絶対禁止 | フラップ(傷口)がまだ不安定であり、感染症リスクが最も高い時期です。 |
| 1〜3ヶ月 | 原則禁止 | ドライアイの症状がピークになりやすく、レンズ装用が傷の原因になります。 |
| 3ヶ月〜半年 | 医師の許可があれば可 | 角膜の状態が安定していれば、短時間の装用から試せることがあります。 |
| 半年以降 | 相談の上、使用可 | 眼の状態が落ち着いていれば使用可能です。ただし、必ず定期検診を受けてください。 |
使用を再開する場合は、装用時間を短めに設定し、異常があれば即中止して受診するのが原則です。
使用再開前のチェックポイント
カラコン使用再開を検討する前に、以下の点を必ず確認してください。
- 目の乾燥感や異物感がまったくない
- 視界が安定しており、視力の変動がない
- 角膜上皮が完全に再生しており、医師の診察で異常なし
- 使用するレンズのカーブ(BC)が、術後の角膜に合っている
これらを無視して使用を再開すると、せっかくの手術効果が損なわれたり、深刻なトラブルにつながるおそれがあります。
カラコンのカーブが合わない問題とは?

レーシック後は角膜中央部のカーブが平坦になるため、市販されているカラコンの多く(ベースカーブが限られている製品)はフィットしにくくなり、使用できなくなることが多いのが現実です。
レーシック後は角膜の形が変わる
レーシックでは、角膜の中央をレーザーで削ることにより、屈折力を調整して視力を矯正します。この過程で、角膜のカーブは術前よりも平坦(フラット)に変化します。
この角膜の形の変化が、カラコンを含むソフトコンタクトレンズとの“フィッティング不良”を引き起こす原因になります。
市販カラコンのベースカーブ(BC)は選択肢が少ない
現在市販されているワンデータイプのカラコンの多くは、以下のような仕様です。
- ベースカーブ(BC)8.5〜8.7mm前後のみの単一展開
- 直径(DIA)も13.8〜14.5mmでほぼ固定
- フリーサイズ的な設計で「誰にでもある程度合う」という前提
このような「汎用設計」は、手術を受けていない角膜のカーブを基準に作られているため、レーシック後の角膜には合わなくなる可能性が非常に高いのです。
合わないカーブを使うとどうなる?
術後の角膜に合わないカラコンを装用すると、以下のような問題が起こる可能性があります。
① レンズがズレて視界が遮られる
角膜が平坦になっているため、レンズが安定しません。まばたきをするたびにレンズが大きく動き、カラコンの色素部分が瞳孔(見る中心)に被ってしまい、「視界がチラつく」「端が見えない」といった症状が出やすくなります。
② 張り付きによる角膜障害
逆に、レンズが眼に吸盤のように張り付いてしまうケースもあります。 こうなると涙の交換が行われず、角膜が酸素不足になり、「角膜血管新生(黒目に血管が伸びる)」や「角膜内皮細胞の減少」といった、将来の目の健康に関わる障害リスクが高まります。
③ 度なし(±0.00)でも処方は必要?
「度なしだから雑貨屋さんで買えばいい」と思うのは危険です。 レーシック後の眼は特殊な形状をしているため、必ず眼科でフィッティング(レンズの動き)を確認してもらう必要があります。 「度数が入っていない=安全」ではありません。
特に着色直径が大きいサークルレンズでは、視界への影響やフィット不良がより顕著になります。
カラコンを使用する場合は、必ず眼科で術後の角膜状態を確認しましょう。
カラコンを使うと視界がぼやけるのはなぜ?

レーシック後にカラコンを使って視界がぼやける原因は、レンズのカーブやサイズが術後の角膜に合っていないこと(フィッティング不良)と、ドライアイによる涙液の乱れが主な理由です。
術後の角膜にレンズが“合っていない”ことが視界不良の第一原因
レーシックを受けると、角膜の中央が平坦になり、術前とはカーブが大きく異なる状態になります。
このため、術前に使っていたカラコンや、市販のワンデーカラコン(多くがBC8.6前後)を使用すると、以下のような“ズレ”が生じます。
具体的なズレの症状
- 光学中心がずれる → 視野の中心に色素部分がかかり、白っぽくぼやける
- レンズが回転・滑走する → 視界がチラつく、動くたびにズレる
- 上下左右にずれる → 視力は出ているのに「見えにくい」と感じる
特にサークルレンズや着色直径の大きいカラコンでは、わずかなズレでも視界に強い影響が出ることがあります。
ドライアイとの相性も影響する
レーシック後は、多くの方に一時的なドライアイ症状が見られます。
これは角膜の知覚神経が一時的に鈍くなり、涙の分泌量や質が乱れるためです。
ドライアイがカラコンに与える影響
- 涙液の層が不安定になり、レンズの表面にムラができる
- レンズと角膜の間に滑りがなくなり、動きが不規則に
- レンズ表面に涙液が均一に広がらず、光の屈折が乱れる
結果として、「視力は出ているのにぼやける」「曇ったように見える」と感じるようになります。
合っていないレンズを使い続けるとどうなる?
フィッティング不良のレンズを使い続けることで、以下のような合併症のリスクが高まります。
| 合併症 | 内容 |
|---|---|
| 角膜びらん | レンズとの摩擦で角膜表面が傷つく |
| 異物感・充血 | 摩擦刺激や酸素不足による炎症反応 |
| 感染症 | 傷口から細菌が侵入し、角膜炎・潰瘍に進展することも |
| 眼精疲労 | ピントが合わない状態を無理に見続けることによる疲れ |
レーシック後のカラコン使用によるリスク

レーシック後にカラコンを使用することで、感染症・角膜障害・視機能低下などのリスクが高まる可能性があるため、装用には十分な注意が必要です。とくに自己判断での装用は避け、必ず眼科医の確認を受けましょう。
角膜の感度低下と感染リスク
レーシック手術後は、角膜の知覚神経が一時的に損傷を受けている状態です。
このため、小さな傷や炎症があっても自覚しにくく、重症化するまで気づかないケースもあります。
主なリスク
- レンズの摩擦によって生じた角膜上皮の微小な傷に気づかず、細菌が侵入
- 防腐剤入りのケア用品や汚れた手指による二次感染
- 感染性角膜炎、角膜潰瘍など重篤な合併症に発展するおそれ
レーシック後は「痛みを感じにくいから安全」ではなく、「痛みを感じにくいため危険を察知しづらい」という認識が重要です。
ドライアイや角膜障害の懸念
レーシック後は一時的に涙液の安定性が低下し、ドライアイの症状を訴える方が非常に多いことが知られています。
カラコン使用がドライアイに与える影響
- レンズが涙液の流れを阻害し、角膜表面の潤いを保てなくなる
- 着色部の厚みや酸素透過性の低さが角膜に負担をかける
- 結果として、角膜びらん・フィラメント性角膜炎などが生じるリスク
また、長時間の装用や、装着したままの仮眠・外出などによって、角膜への酸素供給が不足し、視力回復にも悪影響を与えることがあります。
レンズ装用による視力低下や眼精疲労
レーシック後の角膜形状に合っていないレンズを無理に使い続けると、以下のような慢性的なトラブルにつながります。
想定される症状
- 視界が常にぼやける、にじむ(フィッティング不良)
- 目が重く、しょぼしょぼする(涙液乱れ・酸素不足)
- 夕方になると視力が落ちる(一時的な角膜浮腫)
- 目の奥が痛い、頭が重い(ピント調整の持続による眼精疲労)
→ このような状態を放置すると、視覚の質が下がり、レーシック本来の効果が十分に発揮されない可能性もあります。
レーシック後の注意事項
UVカットメガネ・保護メガネは必須アイテム
紫外線は角膜や網膜にダメージを与えるだけでなく、角膜の傷の治癒を妨げる可能性があります。特に術後1か月は、外出時にUVカットメガネまたは保護用メガネを必ず着用してください。
レーシック後は、一時的に紫外線に対する感受性(光過敏)が強くなる傾向もあるため、サングラスの併用が推奨されます。
アイメイクやスキンケアも要注意
化粧品や乳液・洗顔料などが術後の角膜に触れると、炎症や感染、視力障害につながる恐れがあります。特に以下の点に注意してください。
| 項目 | 開始目安(※医師の指示に従う) |
|---|---|
| アイメイク | 約2週間以降 |
| ファンデーション・乳液 | 約1週間以降(目の周りを避けて) |
| 洗顔 | 術後3日以降、目に水がかからないよう注意 |
正しいケアが視力を守る鍵
術後のケアは、視力の安定性・定着性だけでなく、「見た目」の印象やカラコン再装用可否にも関係します。
「たかが洗顔」「少しだけアイライン」などの油断が、視力トラブルの引き金になることを忘れず、以下のような意識を持ちましょう。
- 術後のケアを「一時的な我慢」ではなく「将来の視力への投資」と考える
- 安易な自己判断ではなく、すべての再開は医師の診察・許可を得てから
- 不安や異常を感じたら、すぐにかかりつけの眼科へ連絡する
よくある質問(FAQ)

A.慎重に選べば可能です。ただし、必ず眼科医に相談してください。
サークルレンズやワンデータイプのカラコンは近年主流となっていますが、レーシック後は角膜の形状が変わっているため、一般的なBC(ベースカーブ)では合わない可能性があります。
また、術後は角膜の感度が低下していることが多く、違和感や軽度の傷にも気づきにくいため、フィッティング不良がトラブルに直結することも。
市販されている製品の多くは、ベースカーブが「8.6mm前後の1パターン」で設計されており、そのためレーシック後の角膜には合わない可能性が高いといえます。したがって、使用の可否を判断する際には、眼科で角膜形状や涙液量などを測定し、適合性を確認することが重要です。
A.まずは眼科で原因を確認し、再矯正手術や眼鏡・コンタクトの選択肢を検討します。
レーシックを受けたあとでも、数年〜十数年を経て視力が変化することはあります。
これは「戻り(回帰)」と呼ばれ、特に強度近視だった方では軽度の近視が出てくることがあります。
このように、視機能および角膜形状の加齢的・生活習慣的な変化により、近視や老眼を自覚することがあります。眼の健康状態に問題がなければ、再矯正や眼鏡などで十分対応可能です。
軽度の戻りが見られる場合には、夜間のみ眼鏡や低度のコンタクトを併用することで対応できます。コンタクトレンズを使用する場合は、術後の角膜形状を考慮した処方が必須です。中等度以上の戻りがある場合には、レーシックの再施術やPRKなどの再矯正手術を検討する必要があります。また、老視(老眼)によるピント調節の変化に対しては、老眼鏡や遠近両用レンズなどを用いることで対応可能です。
A.おすすめできません。症状が落ち着くまでは中止すべきです。
ドライアイが強い状態では、カラコンに限らずソフトコンタクトレンズ全般の装用がリスクになります。
涙液が不足することでレンズが角膜に張りつきやすくなり、角膜上皮障害や感染症のリスクが増大します。
人工涙液やヒアルロン酸点眼などを用いてしっかりと治療を行い、ドライアイの症状が落ち着いたうえで医師の許可を得てから装用を再開してください。
レーシック後のカラコン使用は「安全第一」で判断を

カラコンは「使えるかどうか」よりも「合うかどうか」が大切
レーシック手術を受けたあとでも、カラコンの使用は理論上可能です。ただし、術後の角膜は形状が変化しているため、従来使っていたレンズが合わなくなることが多く、無理に装用すると痛みやぼやけ、角膜障害などのトラブルに繋がる可能性があります。
特に近年の1dayカラーコンタクトやサークルレンズはベースカーブ(BC)にバリエーションが少なく、術後の角膜に合う製品を見つけるのが難しいのが現実です。
そのため、「カラコンが使えなくなる」のではなく、「合う製品がなくなることで結果的に使用できなくなる」という表現の方が正確です。
必ず眼科で診察と許可を受けてから使用を
カラコンに限らず、視力矯正目的以外のコンタクトレンズは医療機器であり、処方・適合確認が必要です。とくにレーシック後は以下の点に注意しましょう。
- 自覚症状がなくても 角膜の感度は一時的に低下している可能性がある
- ドライアイのリスクが上がっている状態ではレンズ装用が悪化要因になる
- 市販のレンズは合っていないことが多く、痛みがなくても角膜にダメージを与える可能性がある
おしゃれと安全を両立させるために
視力矯正手術を受けた後も、自分らしくおしゃれを楽しみたいという思いは当然のことです。しかし、安全と健康を損なっては意味がありません。
以下のような工夫をおすすめします。
今後、視力が低下したときの選択肢
万が一視力が低下した場合、再手術(再レーシック・PRK)などの選択肢もあります。ただし、その前に原因がカラコンやコンタクトレンズの装用によるものかどうかを医師が正確に見極める必要があります。
視力の戻り(リグレッション)は年単位での変化であり、カラコンのフィット不良とは分けて考えるべきです。
レーシック後のカラコン装用は「禁止」ではなく、「合うレンズが少ない」という現実があります。自己判断での使用は思わぬトラブルにつながるため、必ず眼科で角膜の状態を確認し、医師の許可を得ることが大切です。安全を最優先にしながら、自分らしいおしゃれを楽しむために正しい知識とケアを身につけましょう。





























