ICL手術の「失敗」とは?

ICL手術のリスクと対策を医師の視点で解説。失敗を防ぐ準備、起こりやすい症状、合併症、を詳しく紹介します。
ICL手術の「失敗」とは?
ICL手術の「失敗」とは?

~後悔しないために知っておくべきリスクと、医師の本音~

ICL(眼内コンタクトレンズ)を検討中の方は、「手術に失敗はあるの?」「失明したりしない?」と不安になるものです。 ネット上には様々な体験談がありますが、医師の視点から見た「失敗」や「リスク」の正体を知ることで、不安の多くは解消できます。

この記事では、ICLのリスクの実態と、それを防ぐために当院が行っている対策について、包み隠さず解説します。

成功率は高いがリスクはゼロではない

ICLは世界中で行われている安全性の高い手術ですが、医療である以上、100%のリスクフリーではありません。 しかし、多くのトラブルは「適切な対応でリカバリー(修正)が可能」です。

トラブル内容症状医師の対応策(リカバリー)
ハロー・グレア夜間の光がにじむ多くの場合数ヶ月で脳が慣れます。
レンズの回転乱視用レンズの軸がズレる位置を戻す処置で改善します。
Vault(サイズ)不適合レンズと水晶体の隙間の異常サイズ交換や抜去で対応します。

これらは早期に対応すれば改善できることが多く、医師から事前に説明されるべき内容です。

医師が考える「本当の失敗」とは

患者さんが感じる「失敗(なんか見えにくい)」と、医学的な「失敗」には少しズレがあります。 私たち眼科専門医が最も避けるべきと考えるのは、以下のケースです。

  1. 適応外の眼に無理やり手術をした 角膜内皮細胞が少ない、前房(スペース)が浅いなど、医学的に不向きな眼に手術を行うこと。これは絶対にあってはなりません。
  2. 不適切なレンズ選定 計算ミスや経験不足により、度数やサイズが全く合わないレンズを入れてしまうこと。
  3. 術後感染症 衛生管理の不備により眼内炎を起こすこと。

逆に言えば、「適応を厳格に見極め」「精密な計算を行い」「徹底した清潔管理」を行えば、これら重篤な失敗は未然に防ぐことができます。

術後の「これって失敗?」よくある症状と見極め方

手術直後は眼が不安定なため、一時的な不調が出ることがあります。これらは「失敗」ではなく「回復過程」であることがほとんどです。

よくある症状

よくある症状(時間の経過で治るもの)

  • 夜、信号の光が広がって見える(ハロー・グレア)
  • なんとなく視界が白い
  • 日によって見え方が違う
  • 眼がゴロゴロする、しみる

これらは術後1週間〜3ヶ月程度で自然に落ち着いていきます。

早めに受診すべきサイン

ハロー・グレア

ハローとグレアは、どちらも光が通常より大きく広がって見える現象です。ハローは、街灯や車のライトの周囲にぼんやりとした光の輪がかかって見える状態グレアは、光そのものが強くまぶしく広がり、視界が白くかすむように感じる状態です。ICLなどの手術後は角膜やレンズが安定するまで一時的に起こることがあり、多くは数週間から数か月で自然に軽くなります。しかし長期間持続し、生活が不快である場合にはIOLの抜去を必要とする場合があります。

受診を検討すべきサイン

自然に治まる症状が多い一方で、次のような場合は早めに医師へ相談してください。

  • 痛みが強く日常生活に支障がある
  • 視力が時間を置いても改善しない
  • 眼圧が高い状態が続く(光が虹色に見える)
  • 見え方の違和感が悪化している

ICL手術で失敗を防ぐために知っておきたいこと

ICLは安全性の高い手術ですが、適切な準備と注意があってこそ満足できる結果が得られます。ここでは、手術前に大切な確認事項と、起こり得る合併症、当院が行っている取り組みをまとめます。

手術前の準備

当院では「適応かどうかを丁寧に見極める」ことをとても大切にしています。

  • 精密な術前検査
    角膜の状態、前房(角膜と虹彩の間のスペース)の深さ、眼圧、水晶体の厚み、さらに精神的な傾向まで総合的に評価します。これにより、ICLが適しているか、レンズサイズが合っているかを判断します。
  • Vault(ボルト)の設計
    Vaultとはレンズと水晶体の隙間のこと。隙間が狭すぎると白内障や眼圧上昇、広すぎるとレンズが安定しない原因になります。
    当院では将来的な水晶体の厚みの変化も見越してサイズを選びます。
  • 片眼ずつ段階的に実施
    最強度近視など眼に特別配慮が必要な場合は、まず片方の目だけ手術を行い、結果を見てもう片方を判断します。これにより、より安全で納得のいく結果が得やすくなります。

EGEN VISION CLINICの「失敗させない」取り組み

ICLは適応を正しく見極めてこそ、安全で満足のいく結果が得られます。当院では次の点に特に力を入れています。

1. 「適応」の厳格な見極め

希望されても、リスクが高いと判断した場合は正直に手術をお断りします。 例えば、「前房深度(ACD)」という眼のスペースが十分でない場合や、角膜内皮細胞が少ない場合は、ICLではなくレーシックやSMILEをご提案します。

2. 将来を見越した「Vault(ボルト)」設計

ICLで最も難しいのがレンズサイズの選定です。 水晶体は年齢とともに厚くなるため、レンズとの隙間(Vault)は年々狭くなっていきます。当院では、「今だけでなく、10年後、20年後も安全か」を計算し、AI解析なども用いて最適なサイズを選定します。

3. 対象年齢の最適化

ICLは40代後半まで可能ですが、当院では特に水晶体の調節力が豊かで、ICLのメリットを最大化できる20代〜40代前半の方に推奨しています。 (※老眼が始まっている世代の方には、老眼治療も含めた別のプランをご提案する場合もあります)

後悔しないために

ICLは視力矯正手術の中でも安全性が高く、多くの人が満足しています。しかし「絶対に失敗しない」手術は存在しません。だからこそ、次のポイントを心に留めておくことが大切です。

「絶対に失敗しない手術」は存在しません。 しかし、「限りなく失敗をゼロに近づけること」は可能です。

そのためには、

  • メリットだけでなくリスクも説明してくれる医師を選ぶこと
  • 自分の眼がICLに向いているか、精密検査を受けること

この2つが何より大切です。 不安な点は、カウンセリングで納得いくまでご質問ください。「あなたにとって最高の手術」になるよう、私たちが全力でサポートします。

よくある質問

Q1. ICL手術って失敗することあるんですか?

可能性はゼロではありませんが、成功率はとても高いです。ただ、目に合わないサイズだったり、術後に見え方が合わないと感じたりすることもあるので、事前の検査がとても大切です。

Q2. ハローやグレアって何?運転しづらくなりますか?

夜に車のライトや街灯がにじんで見える現象をハロー、光がギラついてまぶしく感じる現象をグレアと呼びます。多くの場合は手術後しばらくすると気にならなくなりますが、完全に消えるとは限りません。夜間運転をする際は、症状が落ち着くまで注意が必要です。

Q3. 視力が思ったほど出なかった場合は?

まずは眼鏡やコンタクトで調整でき、満足できるかが重要です。必要に応じてレーザーによる微調整や、乱視用ICLではレンズ位置の再調整を行うこともあります。

Q4. 手術後、痛みが長く続くのはなぜ?

外見に異常がなくても、ドライアイや神経が過敏になっている(神経因性角膜痛)可能性があります。
この場合は点眼薬や内服薬を使った治療、痛み外来や心療内科との連携が有効です。

Q5. ICLは何歳まで受けられますか?

一般的には18〜45歳程度が目安です。ただし老眼への心の準備は必要です。

Q6. 仕事やスポーツはいつから可能ですか?

事務仕事などの軽い作業は翌日から可能なことが多いです。スポーツは内容によって異なりますが、軽い運動は1週間後から、激しい運動や水泳は4週間後を目安にしてください。

INDEX

ICL手術のリスクと対策を医師の視点で解説。失敗を防ぐ準備、起こりやすい症状、合併症、を詳しく紹介します。

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