目にやさしい新世代のレーザー視力矯正、SMILE(スマイル)手術とは?

目にやさしい新世代のレーザー視力矯正、SMILE(スマイル)手術とは?
目にやさしい新世代のレーザー視力矯正、SMILE(スマイル)手術とは?

レーシックに続く新しい視力矯正法として世界的に注目されているのが、SMILE(スマイル)手術です。
角膜への負担をできるだけ少なくし、自然な見え方と短い回復期間を両立させたこの手術は、「目にやさしい」次世代レーザー矯正法として、多くの患者さんに選ばれています。SMILE手術の仕組みと特徴について、わかりやすく紹介します。

SMILE手術ってどんな手術?

診察・問診

SMILE手術は、角膜をほとんど削らずに視力を回復させる、最新のレーザー視力矯正手術です。
名前は Small Incision Lenticule Extraction(小切開レンチクル摘出術)の略です。レーザーで角膜の中に小さなレンズ状の組織(レンチクル)を作成し、それをわずか2〜4mmの切開から取り出して矯正します。

SMILE手術の流れ

角膜の表面を大きく切らないため、従来のレーシックと比べて「目にやさしい」手術といわれています。

従来型との違い:SMILE proの進化

従来型との違い

従来のSMILE手術(ReLEx SMILE)は、Carl Zeiss社のVISUMAX 500で行われてきました。
次世代型のSMILE proは、VISUMAX 800を使用することで、短時間・高精度・回復の早さが大きく向上しています。

比較項目従来型 ReLEx SMILE新型 SMILE pro
使用レーザー機器VISUMAX 500VISUMAX 800
レーザー照射時間約23秒約9秒(最短7秒)
精度・安定性高いさらに高精度
ベッド移動必要(移動あり)不要(ワンステップ)
視力回復の速さ良好より早く安定しやすい

短時間で済むことで、目への負担が減り、術後の見え方も安定しやすくなっています。

レーシックとの大きな違い

レーシックとの大きな違い

レーシックは角膜の表面に「フラップ(ふた状の切開)」を作ってから矯正しますが、SMILEは小さな切開だけで済むため、フラップを作る必要がありません。
フラップがないことで、外部からの衝撃によるトラブルが起こりにくく、スポーツをする方にも適しています。

レーシックとSMILEの主な違い

切開方法レーシック=直径20mm程度のフラップ作成 / SMILE=2〜4mmの小切開のみ
ドライアイのリスク:レーシック=起こりやすい / SMILE=起こりにくい
スポーツでの不安:レーシック=フラップずれの可能性あり / SMILE=ほぼなし
対応できる近視:レーシック=中等度まで / SMILE=強度近視(-10D程度)にも対応

角膜を温存するメリット

角膜を温存するメリット

角膜は目のレンズの役割を果たす重要な組織です。SMILEは角膜の形や厚みをできるだけ残し、将来の目の健康を考えた矯正が可能です。

最新のSMILE proでは、

  • レーザーが高速で、目が少し動いても精度を保ちやすい
  • 術中の固定が安定しており、ブレのリスクが低い
  • 視力の回復が早く、裸眼で良く見える割合が高い

2024年の欧州研究では、「手術1週間後に視力0.8以上になった人が94%」という結果が報告されています(Steinberg J.ほか、Scientific Reports, 2024)

SMILE手術のメリットとデメリット

メリット デメリット

メリット

  • フラップを作らず、外力に強い
  • ドライアイのリスクが低い
  • 術後の視界が自然で、光のにじみが少ない
  • 翌日から視力が安定しやすく、回復が早い

デメリット

  • 一度作成したレンチクルを再生成できず、再手術はLASIKやPRKなど別の方法が必要
  • 対応できる度数は近視-10D・乱視-3D程度までで、遠視や老眼には不向き
  • 高次収差が多い場合、SMILEでは結果が不安定になることがあり、LASIKの方が適しているケースもある

「スマイル難民」とは?
ごく少数ですが、SMILE手術を受けたあとに「思ったように見えない」「もう一度手術で直すのが難しい」と感じてしまう人を指す言葉です。
こうしたケースはまれですが、原因の多くは次のようなものです。

・手術前の検査や適応の判断が十分でなかった
・光のゆがみ(高次収差)などの要因を見落としていた
・患者さん自身の「見えるようになりたい」という期待と、実際の結果に差があった

つまり、手術そのものが危険というより、「事前の準備不足や説明不足が原因で起こるミスマッチ」を指しています。
そのため、クリニックで丁寧な検査とカウンセリングを受け、リスクや限界をきちんと理解してから手術を選ぶことが大切です。

手術前の準備と当日の流れ

眼科 手術室

手術前の準備

コンタクトレンズを早めに中止

  • ソフトコンタクト:手術の1週間前から外す
  • ハードコンタクト・オルソケラトロジー:2週間〜1か月前から外す
    (角膜の形を元に戻し、正確な検査を行うため)

詳細な術前検査を受ける

  • 角膜の形状や厚み、乱視の安定性
  • 眼圧、涙の量、角膜の収差など
  • 適応外と判断された場合は、LASIKやICLなど他の方法を提案されることがあります

当日の流れ

  • 点眼麻酔を使用するため、痛みはほとんどありません
  • レーザー照射時間:片眼につき約7〜9秒
  • 手術全体の所要時間:約15〜20分
  • クリニックでの滞在時間:およそ1時間半〜2時間
  • レーザー中に圧迫感や一時的な暗さを感じることがありますが、通常の反応で心配はいりません

視力回復の目安

目を指す女性
  • 翌日には多くの方が視力0.7〜1.0程度に回復します
  • 強度近視や乱視の方は、視力が安定するまで数日〜1週間かかることがあります
  • 手術後すぐはにじみやかすみを感じる場合がありますが、ほとんどは1〜2週間以内に解消します

費用と医療費控除

治療内容両目の費用目安備考
SMILE(通常)30万〜50万円医師の経験・機器により変動
SMILE pro(最新)40万〜60万円VISUMAX 800使用など
片目のみ両眼費用の半額左右差が大きい場合など

公的医療保険はSMILE手術には適用されません。
ただし、医師から「生活に支障がある近視」と診断された場合は、確定申告で医療費控除を受けられる可能性があります。

  • 手術費用だけでなく、通院の交通費や薬代も合算可能です。
  • 詳細は、税務署または手術を受けるクリニックに確認してください。

術後の過ごし方(ダウンタイム)

ダウンタイム

洗顔・入浴・シャワー

  • 顔を濡らす洗顔・シャワー:3日目以降から可能
  • シャワー(体のみ):当日からOK(顔は濡らさないよう注意)
  • 入浴(湯舟):3日目以降から可能(湯気は問題なし。目に湯が入らないよう注意)

飲酒・運動・メイク

  • 飲酒:3日目以降から
  • メイク(目元):1週間後から
  • 軽いスポーツ:1週間後から(ジョギング・ヨガなど)
  • 激しい接触スポーツ:1か月以上は控える(サッカー・バスケ・格闘技など)

ケア用品

  • 点眼薬:抗菌薬・ステロイド・保湿点眼を1〜2週間使用
  • 保護メガネ:最低3日間、就寝時は1週間装用

まとめ

眼科機器

SMILE手術は、角膜を大きく削らずに行う、目にやさしい新世代の視力矯正手術です。
最新機器を使ったSMILE proでは、短時間でより精密な治療ができ、術後の回復も非常に早くなりました。

レーシックに比べてドライアイのリスクが少なく、スポーツをする方にも向いていますが、矯正できる度数や再手術のしやすさには限界があります。すべての人に最適な方法とは限らないため、事前にしっかり検討することが大切です。

費用は自由診療で保険は使えませんが、条件によっては医療費控除を受けられる場合があります。
手術前にはコンタクトレンズの中止と丁寧な検査が必要です。手術後は水分や刺激を避け、医師の指示に従って点眼や保護メガネをきちんと続けることで、短期間で快適な裸眼視力を取り戻せます。

SMILEは、適応条件を正しく見極め、十分なカウンセリングを受けたうえで選ぶことで、将来の目の健康を守る賢い選択肢となるでしょう。

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